ある夏の暑い日の朝、はじめて来院された患者さまがいらっしゃいました。その方の予診票には歯周病の治療希望と書かれていました。
しかし、カウンセリングをしていく中で、実は口臭ですごく悩んでいることがわかりました。
本当に臭うのか?
実は臭わないのか?
とても悩まれていて、もうご自分で判断できないとお困りでした。そんなとき、患者様はうつむきながら、口元に手を当ててお話しされていたのが印象に残っています。
最初はあまり気にならなかったそうですが、2年くらい前にお孫さんに「口が臭いので嫌い!」と言われたそうです。そして、その後に奥さまにも同じことを言われ、心に何か刃物を「ズシン」と刺されたようでショックを受けたそうです。
それ以来、電車やバス、会社でも飴をなめたり、ガムを噛んだりするようになり、いつしかうつむきながら、少し横を向いて相手と話しするようになったそうです。
もしかしたら、自分の口臭がまわりに方に迷惑をかけているのでは……。
相手が会話中に手を鼻に持っていく何気ないしぐさも気になる……。
次第に友人との食事、会社での会話でも口臭が気になりだし、いつしか笑顔も少なくなったそうです。以前は娘と同じくらいの部下や同僚と仕事帰りに飲みに行ったり、悩みも聞いたりすることが多かったという患者さま。
そんなときに、お嬢さまが「お父さん、口臭検査を1回受けてみたら?」と、半ば強引に予約を取ったのが来院されたきっかけでした。歯医者の先生にも話すのが嫌だなと思う反面、少しでも口臭が改善すればという気持ちをもって来院されたそうです。
口臭の悩みから解放されれば、自分らしく日常の夫婦の会話、家族生活、孫との会話、営業先での会話ができる――。患者さまは、このような期待を持ってご来院されたそうです。
- 1、口が臭いと言われた孫と一緒に楽しく過ごしたい
- 2、妻や家族と一緒に、口臭を気にせずに食事をしたい
- 3、口臭を気にせず、営業先で思いっきりお話しをしたい
- 4、口臭が気になり挨拶程度だったご近所の方とゆっくり話したい
- 5、会話中に鼻に手を当てるしぐさを気にせず会話を楽しみたい
- 6、口が本当に臭いのかがわからず、不安な気持ちを解消したい
- 7、口臭の原因をしっかりと理解したい
このようなお悩みを解消してもらうため、当院では口臭測定器「オーラルクロマ」を導入しています。
口臭は感覚的な要素が多く判断しにくいもの。その感覚的な部分を数値として分析できるのが口臭測定器です。
オーラルクロマは、口臭の主な原因である「※1 硫化水素」「※2 メチルメルパプタン」「※3 ジメチルサルファイド」を分離し、それぞれの濃度を高精度で測定します。
それもすべて、口臭で悩んでいる皆さまのため――。
最新型の口臭測定器を導入することで、的確な治療、自宅ケア、内科疾患の疑いを提案できるようになりました。その結果として、こちらの患者さまには喜んでいただくことができました。そのお喜びの声を聞いて、素直に「導入してよかった!」と私も実感。
何回目かのご来院時、患者さまに口臭治療の効果や率直な意見を聞いてみると、
- 1、孫との楽しい時間
- 2、妻との楽しい食事
の2つを真っ先に挙げられました。さらに
- 3、営業先での思い切った会話
- 4、相手が鼻を手で押さえても大丈夫という安心感
- 5、孫との楽しい食事
- 6、車や電車、会社などの閉鎖的な空間でも口臭を気にせずできる会話
このように、少しずつですが自信もついてきたとおっしゃられていました。
口臭があるのか、まずはそれを判断することが大切です。「本当に臭いのだろうか?」「何が原因なんだろう?」といったお悩みがあれば、ぜひご相談ください。
しっかりと測定することで、もっとも有効な治療法や自宅ケアの方法を見つけることができます。
現在、この口臭測定器を導入しているのは、この地域で当院のみとなっています。
※1 硫化水素
舌や口腔内の汚れに関係していると言われているガスです。
※2 メチルメルカプタン
歯周病と関係していると言われているガスです。
※3 ジメチルサルファイド
消化器系の内臓疾患や服用薬に関係していると言われているガスです。
40代女性の口臭に悩み始める割合は○○%だった!
職場で気になる口内トラブル
ビジネスを上手く進めるためには、職場におけるコミュニケーションは重要な要素です。
しかし、人と人とのコミュニケーションはとても繊細で、「ちょっとしたこと」が相手に不快感を与え、コミュニケーションが上手くいかなくなる要因に。
中でも、特に注意しなければならないのが「口臭」。「相手の口臭が気になって会話に集中できない」「その人とコミュニケーションを取る自体に抵抗を感じる」など、口臭によるトラブルは、誰もが一度は経験したことがあるのではないでしょうか?
特に女性の場合、口臭はデリケートな問題。相手に不快感を与えてしまう前に、早めに予防を始めた方がよいでしょう。
40代女性の約半数が口臭に悩み始める!
40代女性の約半数が口臭の悩みを抱えています。なぜ、40代を超えると、口臭が気になり出すのでしょうか?
40代女性の口臭の主な原因は歯周病や歯槽膿漏
- 歯石、歯垢(プラーク)
- 舌苔(ぜったい)
- ストレスなどによるドライマウス
- 歯周病、歯槽膿漏
一般的に口臭の主な原因は、この4つとされています。その中で、更年期に差し掛かる40代女性の口臭の原因として多いのが、歯周病や歯槽膿漏。40代になると、女性の身体にはさまざまな変化が訪れます。それにより、歯周病や歯槽膿漏になる確率が高まります。
また、ドライマウスになりやすくなることも重なって、歯周病や歯槽膿漏の進行が早まります。というのも、唾液の量が減って口の中が乾くと、口内の殺菌作用が弱まり、結果、歯周病が進行して口臭もきつくなってしまうのです。
関連情報:
歯周病について
歯ブラシではできない除去できない歯垢も
歯周病とは、歯と歯茎の隙間の歯周ポケットに、歯垢(プラーク)が入り込み炎症を起こす病気。歯周ポケットが深くなればなるほど歯垢がたまりやすくなり、歯周病が悪化してしまいます。そのため、歯周病の予防、改善には歯垢の除去が必要不可欠です。
ただ、歯ブラシでは除去できない歯垢や歯石も。そんな場合は、歯科医院の治療が最適。
40代以降の女性は、歯周病が進んでいる可能性があるため、口臭予防のためにも、一度、歯科医院で診てもらうとよいでしょう。
口臭について知りましょう
会話や呼吸などの際に周囲にいる人を不快に感じさせてしまう口臭。一般的には加齢とともに口臭が感じられるようになりますが、ご自分のお口のにおいにはなかなか気付きにくいものです。また、口臭に長年コンプレックスを感じ、悩んでいらっしゃる方もいるでしょう。
まずは口臭が発生するしくみについてよく知り、患者さま自身で行うセルフケアと歯科医院での定期的なプロフェッショナルケアで、根本から改善していきましょう。
口臭が発生するまで
卵の腐敗臭に似た「硫化水素」、魚や野菜の腐敗臭のような「メチルメルカプタン」、生ごみのにおいに近い「ジメチルサルファイド」の3種類のガスが混ざり合うと、「揮発性硫黄化合物(VSC)」という非常に嫌なにおいのガスになります。これが口臭のにおいの元です。揮発性硫黄化合物は、新陳代謝ではがれた粘膜上皮や血球成分、死んだ細菌などのタンパク質成分が口腔内の嫌気性細菌によって分解されて作られます。
自分ではわからない自分の口臭
においとは、鼻の中の嗅細胞が受け止めた情報を、脳が「におい」として認識することで感じます。嗅覚は主観であり、においをかぐ人の体調や心理状態によって、同じにおいを心地よく感じたり不快に感じたりすることもあるのです。
また、同じにおいをずっとかぐことにより順応反応が起き、そのにおいに慣れてしまうという特徴もあります。口臭があるのかどうかを患者さま自身で判断することが難しいのは、そうした理由があるのです。
口臭の種類
生理的な口臭
生理的な口臭は、お口の中の唾液や細菌の量、成分によって発生します。唾液の分泌が少なくなる起床直後や緊張時、空腹時に特に強くなるという特徴があります。食事やブラッシングを行うと唾液の量が増え、口腔内の細菌が減少して自然に弱まるため、生理的な口臭に対してはあまり神経質になる必要はありません。ただし、お口に問題が発生しないよう、ブラッシングでいつも清潔さを保つようにしましょう。
飲食物や嗜好品による口臭
においの強い食ベ物を食べたり、お酒を飲んだりした後は、口中の残留物そのものがにおうなどして口臭となります。また、たばこに含まれるタールやニコチンも不快なにおいを口から発生させます。飲食物や嗜好品による口臭は、時間が経つと自然に消えていくものなので心配ありません。
においの強い食ベ物を食べたり、お酒を飲んだりした後は、口中の残留物そのものがにおうなどして口臭となります。また、たばこに含まれるタールやニコチンも不快なにおいを口から発生させます。飲食物や嗜好品による口臭は、時間が経つと自然に消えていくものなので心配ありません。
お口の問題が主な原因の病的口臭
重度の虫歯や進行した歯周病、ドライマウス、舌にこびり付いた舌苔(ぜったい)、お手入れが不十分なため汚れてしまった入れ歯、正しくない咬み合わせなど、お口の問題による口臭です。この場合には、歯科医院で原因を確かめ、適切な治療を行うことで改善します。
全身疾患が原因の口臭
扁桃腺炎や副鼻腔炎、気管支拡張症、尿毒症、糖尿病、肝臓疾患、腎臓疾患、食道がんなど、全身疾患が原因となって口臭が発生するケースがあります。お口の問題を治療で解決した後もまだ口臭が続く場合には、ほかの医療機関を早めに受診しましょう。
自臭症
「口臭が心配で、人と会話ができない」など、日常のコミュニケーションに影響が出るほど口臭に過剰反応している場合は、自臭症の可能性があります。自臭症の方は、実際には口臭がない場合も多いものです。まずは京都市伏見区の仁科歯科医院に一度ご相談ください。実際にお口のにおいに問題があるのかどうかを調べ、悩みから解放される方法を探します。